目次
陸自の英語教育についてまとめました。
短期間で話せるようになるのか
英語学習に興味ある方向けです。
陸自の英語教育
陸自英語教育とは
基礎英語課程
普通英語課程
上級英語課程
通訳課程
幹部基礎英語課程はなし
大きく分けると上記の4つです。
各方面隊で実施される基礎英語課程は約3カ月間のプログラムで、英語の基本基礎となるBe動詞の使い方から学びます。
最初は中学英語から始まりますが、徐々にレベルが上がり最終的には3分間スピーチを英語で実施、在日米軍基地へ研修等を行います。
到達目標はTOEIC400~500程度です。
この課程は通訳を目指すのではなく、米軍との共同訓練等で通訳なしに最低限の英語コミュニケーション能力の獲得及び、部隊への英語教育への普及を目指すのが主な目的です。
基礎英語課程は曹を対象とした課程教育であり、士は聴講生としての入校になります。
また入校に当たって素養試験があり、基準に到達していない隊員は入校出来ません。
とはいえ基準はかなり低く、TOEIC350程度あれば余裕で合格出来るレベルです。
成績優秀な隊員は情報学校語学教育部で実施される普通英語課程へと選抜される事もあります。
情報学校語学教育部で実施される普通英語課程は曹及び幹部が入校し、約3ヵ月間で初歩的な通訳技術や渉外、軍事英語、在日米軍との交流プログラム等を実施します。
基礎英語とは違い、英語の基本基礎は概成しているものとしてスタートします。
到達目標は曹課程でTOEIC500-600程度、幹部課程で600-700程度です。
この課程では初歩的な通訳技術を学ぶことはできますが、ほとんどの学生は通訳としては使い物になりません。
ですが基礎英語課程とは違い、この課程を卒業した学生は部隊では英語の戦力として扱われることが多いです。
中途半端な実力で通訳に無理やり配置され、全く話せずにメンタルがボロボロになって帰ってくる隊員も多いとの事でした。
また隊員の英語力に応じて基礎英語課程をスキップし普通英語課程に入校する事も可能だそうです。
成績優秀な隊員は上級英語課程へ推薦される事もあります。
同じく語学教育部で実施される上級英語課程は曹及び幹部が入校し、約6ヵ月でそれなりの通訳技術、渉外等を学びます。
到達目標は曹でTOEIC700-800、幹部で750-850程度です。
上級英語課程では当初から通訳技術を中心に学ぶため、卒業後はそれなりに英語が話せるようになります。
問題点としては詰め込み式で次々と課題が付与されるため、途中でギブアップする隊員も出てくるそうです。
体力的には楽ですが、精神的にはレンジャー訓練以上に厳しい課程と言われています。
上級英語課程を卒業するとMOSが付与され、YSや共同訓練等で主力となり、通訳・翻訳業務を担当する事になります。
成績優秀な隊員は英語通訳課程へと推薦される事もあります。
英語通訳課程は陸上自衛隊で実施される一番上の英語課程です。
語学教育部が担当し、幹部、曹、事務官全て合同で実施されます。
年に10名以下の狭き門であり、英語通訳の専門家としてYSや共同訓練等において高官通訳を担当します。
また総監部で総監通訳に抜擢される事もある等、今後の自衛官人生が英語一色になる事も少なくありません。
到達目標はTOEIC850-990です。本課程を卒業後、自衛隊を退職し英会話スクールを立ち上げた方もいるとの事でした。
卒業生から聞いた英語課程のメリット、デメリット
メリット
給料をもらいながら英語力を伸ばせる
自衛隊退職後の幅が広がる
外国人の友達が出来る等、自分の世界が広がる
生涯の趣味となる
外国人への理解が深まる
他では味わえない素晴らしい体験ができた
人生が楽しくなる
性格が一変しポジティブになった
英語課程の卒業生からアンケートを取ったところ、多数の肯定的な意見をいただきました。
中でも一番多かったのが、給料を頂きながら英語を学べることでした。
通常英語を学ぶにあたっては、貴重な時間を捻出し、決して安くないお金を払って勉強、TOEICや英検等を受けて実力を確認、実践してまた勉強・・・といったサイクルですが、陸上自衛隊では全て無料かつ給料を頂きながら出来る環境です。
とてつもなく恵まれた環境だと実感する方が多かったのが印象的でした。
他にもポジティブな意見が多く寄せられました。
デメリット
精神的にきつい
大して喋れないのに通訳に呼ばれる
卒業後は自分でお金を出して英語を勉強する必要有り
狭い世界なので悪事はすぐバレる
とても必要なスキルなのに部隊の理解が得られない
一番多かったデメリットは精神的にきつく、人によってはメンタルダウンしてしまったという回答もありました。
普通英語までしか出てないのに、人がいないからと通訳を任され、衆目の中で無言の時間が過ぎて泣きながら謝る事しか出来なかったという声も。
また入校中はタダで英語の勉強に集中できるけど、卒業後は自分で時間を見つけてお金を出して勉強する必要があるといった意見もありました。
悪事については、課程教育中に不倫をしてしまい、英語という狭い世界なので噂が広まってしまいその後ずっと付きまとったという話も・・・
英語課程の体験学習!?集合訓練
各種英語課程は課程教育として3-6ヶ月間みっちり教育を受けるプログラムです。
ナビクマのように英語は高校までしかやってきてないし、、、いきなりはハードルが高い。。。と思われる方もいらっしゃると思います。
そんな方向けに師団レベルで集合訓練をやっている所も多くあります。
概ね1週間の訓練で年4回をベースに師団規模で実施されます。
英語の体験学習のようなものなので、初心者でも大丈夫です。
細部については部隊の人事陸曹に確認してくださいね。
上級英語卒業生から聞いた英語上達法
参考
自分の好きな映画を字幕なしで見る
字幕付きで見直し意味を確認
慣れてきたらシャドーイング
最初に自分の好きな映画(アニメ)を字幕なしでみます。
もちろん聞き取れないのが大半になりますが、好きな映画(アニメ)なので苦にはならないはず。
その後字幕付きで見直すと(可能なら英語の字幕をつけて)耳に残りやすくなるそうです。
何度も繰り返し聞いているとそのうちセリフが頭に浮かんでくるように。
その後はシャドーイングを繰り返すことで状況を英語で説明出来るようになり、少しずつ話せる範囲が広がるとの事でした。
興味がある方は是非お試しください。