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ウクライナ情勢に関する記事です。5分で読めます。
この記事では2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻による日本への影響の内、原油に関わる分野を取り上げています。
不安を煽るのではなく、知ることで将来に対する備えや心のゆとりを持っていただくのを主眼としています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
コロナウイルスと原油の急落
原油急落の原因
コロナ禍で世界の動きが止まる
燃料の使い道が無くなる
見通しが不鮮明な事から先物取引がマイナスに転じる
石油産出国が減産へ舵取り
産油国にロシアがいる
中国で発生した新型コロナウイルスは世界へ広がり、
2019年12月アメリカで新型コロナの症例が報告されました。
その後爆発的に感染が拡大し人の移動がストップしたのは記憶に新しいと思います。
コロナの拡大により学校も休校、社会もリモートワークが急速に普及し、在宅ワークが当たり前のような世の中になりました。
人との接触を避けるようになり航空機、船は勿論、電車もガラガラ。
仕事で地方から東京へ新幹線で移動すると、車内に乗客はナビクマ以外に2人だけなんてことも。
そうなると燃料が使用されないため、在庫がダブつきます。
油田から原油は出てきますが、貯蓄可能なタンクは有限です。
2020年4月時点ではコロナの見通しもたたず、原油需要がなくなったためにニューヨーク商業取引所で原油先物取引価格がマイナスに転じました。
先物取引について簡単に説明すると
未来の指定日に、現時点で決めた価格で、特定の数量分の債権(現物)の取引をする契約を締結することです。
コロナ禍で原油が使われなくなり、置き場所も無くなり、将来の使用見通しもわからず原油市場はパニックになった結果、通常お金を出して現物の権利を買うはずなのに、お金を貰って原油の権利を買うといった真逆の出来事が史上初めて発生したのです。
わかりにくいので噛み砕くと
一般人:コロナでガソリン使わないよねー。
ガソリンスタンド:スタンドには毎月決まった量のガソリンが届く契約になってるのに、、、売れないし在庫ダブついてる><
石油精製会社:やばい、、、もう原油置く場所ない。。。どーしよう
原油先物取引所:ああああ。。もう先の見通したたないよー。お金払うから3ヵ月後の原油の権利買ってください。。。
といった出来事が起きたのです。
当然売れないなら産油国が減産するしかないのですが産油国はなるべく原油の儲けを減らしたくありません。
そこでOPEC(石油輸出機構)と非OPEC(加盟してないけど産油国)との間で話し合い、石油を作るのを少なくしようという事になりました。
非OPEC(加盟してないけど産油国)側にロシアがいるのです。
そしてロシアにとって石油を輸出することは外貨を獲得するための重要な手段でした。
ワクチンと原油需要の高まり
原油需要の拡大
ワクチンの誕生
以前の世界に戻そうという動き
コロナと原油価格
2020年11月、「バイアグラ」や「ハルシオン」等で知られる米国製薬大手ファイザー社が共同開発した新型コロナワクチン「BNT162b2」が第Ⅲ相試験において90%以上の予防効果があった事を発表しました。
同時期に他の製薬会社でも新型コロナに効果があったワクチンを発表し、世界規模で急速に普及することになります。
日本においてもワクチンの接種率を上げるために自衛隊を使う等、様々な手段を活用し、2022年3月現在コロナワクチンの接種者は2回以上接種した方が約8割に上ると公式に発表がありました。
ワクチンはコロナを予防するだけでなく、重症化を防ぐことから各国はパンデミックを制御しつつ、徐々にコロナ以前の活発な社会活動を再開しようと動き始めました。
これまでガラガラだった交通機関に人が埋まるようになったのです。
人の動きが戻りつつある事からこれまで控えめだった原油の需要が伸び、価格も上昇します。
WTI(原油価格の国際的な指標)は2021年10月1バレル85ドルまで回復しました。
オミクロンの流行に伴い、併せてアメリカや日本等の石油備蓄放出を受けて原油価格は2021年11月30日1バレル64ドルまで下落。
じ後、オミクロンはデルタ株ほどの重症患者を発生させないとわかってきたため、また値上がり始めます。
ロシアのウクライナ侵攻による原油影響
2022年3月7日15時現在のWTI原油価格は以下の通りです。
1バレル125ドルを上回る勢いで上昇しています。
第3次オイルショック!?
ロシアは世界第3位の産油国
米国務長官がロシア産の石油を禁輸を検討していると発表
供給不安から急激な上昇
日本の原油仕入れ先
日本政府の対応
産油国の中でもロシアは日量1100万バレル(1バレル159リットル)以上を産油しています。
現在ロシアはウクライナ侵攻により欧米各国より経済制裁を受けています。
経済制裁の1つとしてロシア産原油の禁輸措置を検討していると、米国務長官が3月6日発表しました。
市場は供給不安から一気に取引価格が暴騰し、WTI(原油価格の国際的な指標)1バレル125ドルに突入しました。
出典 四国経済産業局
日本の原油は9割を中東から輸入しています。
ロシア産は5%程度なので影響はそれ程大きくないと予想されます。
また原油価格の急騰を受け日本政府は3月4日、ガソリン補助金を最大25円に引き上げることを決定しました。
これはガソリンだけでなく、灯油、軽油も含み家計の負担軽減をねらう目的で実施されます。
原油価格上昇による日本への影響
日本への影響
原油の使い道
物価の上昇
電気代が大きく上がる
日本に輸入された石油は車だけでなく、鉄鋼業、電力、化学用原料等他分野に渡って消費されます。
太平洋戦争の直接的な原因も石油の禁輸と言われています。
私たちが今できること
参考
SNSやメディアのデマに惑わされない
値上がりに備え、家計を整理する
資産の分散が重要
残念ながらメディアは視聴率のために視聴者を不安に陥れるような情報を繰り返し流す傾向があります。
商業なので仕方がない面もありますが、私たちは目の前の数字に一喜一憂することなく、今出来ることを考えて動く必要があります。
戦争の影響で家計の負担が増大することは避けられない状況だからこそ、要らない保険の見直しや副業で収入を得る手段を増やす等、ピンチをチャンスに変えて前向きに捉えていくべきです。
また今回の件でロシアの通貨ルーブルが急落し、2週間前の半値になりました。更なる下落が予想されています。
貨幣価値は情勢の変化により変動するため、通貨以外の資産を準備することも視野に入れておく必要があります。
まとめ
ロシアによる侵攻の影響
原油価格の上昇
将来的に石油関連製品の値上げ
電気代の上昇
WTI(国際的な原油価格の指標)原油取引価格が1バレル125ドルまで暴騰
ガソリン(軽油、灯油含む)は政府補助によるテコ入れ有り
ロシア産原油が禁輸された場合、液化天然ガスや石炭も禁輸される可能性が高くなり、結果的に火力発電に依存する電気代が大きく上がる