目次
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職種紹介は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
野戦特科の役割
参考
普通科や機甲科が突撃する前に火力で敵を制圧
国土の狭い日本では訓練が難しい
旅順要塞攻防戦
諸般の事情により縮小中
戦闘職種の中では女性もそれなりにいる
野戦特科というとわかり難いですが、砲兵というとどうでしょうか。
大砲で敵陣地を攻撃する役割です。フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトが砲兵の運用に長けていたと言われています。
歩兵や騎兵の突撃前に大砲で隊列を崩し、敵陣が乱れてから突撃することで勝敗を決定付けます。
火砲は長距離射程のため、実弾訓練で演習場内を飛び越えて着弾する事故を何度か起こしています。
その為一部火砲の実弾射撃訓練は国内ではなく、米国等の国外で実施することがあります。
更に現在は諸般の事情により部隊数が削減されており、野戦特科から別の職種へと職種変換を余儀なくされるケースも。
不遇といえばそうかもしれませんが、野戦特科には普通科や機甲科の損耗を減らすという大きな役割があります。
航空機による地上打撃支援と火砲による制圧射撃支援がない場合、普通科の損耗率は大幅に上昇すると言われており、前線を担う部隊からは必要不可欠と認識されています。
史実において日露戦争時の旅順要塞攻防戦にで歩兵に多数の死傷者が出ました。
参加兵数約51,000名(第1回総攻撃時)
死者約15,400名
戦傷約44,000名
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
火砲を大量に配備し要塞を火力で叩いた状況でも多くの死傷者が出ています。
もし野戦特科に相当する砲兵がいなかった場合は陥落しなかったことが予想されます。
また女性自衛官も配属されています。
野戦特科部隊に入るには
参考
年々縮小されている
新隊員教育を受け持っている野戦特科部隊がねらい目
諸事情により野戦特科は削減され続けているため、希望しても通らないことがあります。
どうしても野戦特科で活躍したい!という強い希望がある場合は、自衛官候補生の枠で合格し、教育を担任している部隊で新隊員課程を受けると比較的スムーズに配属可能です。
同様に〇〇普通科連隊といった普通科の部隊で新隊員課程を受けると、普通科に配属する可能性が高くなります。
普通科以外が良い!のであれば一般曹候補生の枠で合格し、共通教育中隊で新隊員課程を受けると職種の自由度が高くなります。
現職に聞いてみた。野戦特科のメリットデメリット
メリット
メモ
戦闘職種の中では楽な方
定時で上がれる
実射訓練でアメリカ行くこともある
チームワークが磨かれる
行軍がない
戦闘職種の中では体力的にそれ程過酷ではないとのことです。
実射制限のないアメリカ等に仕事で行けるので、海外行きたい方は良いのかもしれませんね。
また野戦特科は砲手だけでなく、観測、測量、射撃指揮が非常に重要なので、密接に連携することから自然とチームワーク力が高まります。
デメリット
メモ
野戦特科そのものが縮小している
突然職種変換しろと言われた
演習が多い
部隊改変に伴って野戦特科から他の職種へ移れと言われ、今まで頑張ってきたのに。。。と思われたそうです。
その場合はゼロから他職種の学校に行き勉強する必要があるため苦労します。
戦闘職種の宿命として演習が多いのがデメリットという声もありました。
高射特科の役割
参考
対空ミサイルや機関砲で敵航空機、ミサイルを要撃
レーダーによる防空情報活動も担当
日本各地、首都圏に配備
狭き門の1つ
空自の高射部隊との違い
一時期北朝鮮がミサイルを飛ばす度に、Jアラートという全国瞬時警報システムがスマホに表示された事がありました。
高射特科は配備されている地域に被害が出ると予想されるミサイルを打ち落としたり、敵航空機を撃墜する役目を担っています。
また防空情報収集活動も実施しています。
03式中距離地対空誘導弾
出典元(陸上自衛隊HPより引用)
高射特科について詳しく知りたい場合は、ひよこ教官が言う【首都圏ミサイル防衛!自衛隊運命の75時間】を視聴するのをおススメします。
高射特科は重要防御地域である首都圏に配備されている他、日本各地に配備されていますが数は少ないです。
その為、希望しても中々通らない狭き門の1つとなっています。
航空自衛隊の高射部隊との違いは装備と役割です。
空自にはニュースでも馴染みのある、PAC3ペトリオットミサイルと呼ばれる地対空ミサイルを装備しています。ペトリオットは超高度かつ広範囲に渡る迎撃が可能であり、戦闘機と合わせて日本の防空圏をカバーするために存在しています。
陸自の高射特科は首都圏であれば首都圏のみをカバーし、接近する敵航空機やミサイルを迎撃し地上に被害が出ないようにする役割です。
高射特科部隊に入るには
参考
枠は少ないが重要性が増している
即動が求められる部隊
女性自衛官もいる
戦闘職種ですが、部隊数、人員共に少な目なので希望しても通らないことも。
ミサイルはいつ飛んでくるかわからないため、常に即動出来る態勢をとっています。
その為連休が難しいとの声もありました。
女性自衛官も活躍しています。
まとめ
野戦特科と高射特科の役割
野戦特科は縮小中
戦闘職種の中では楽な方
実射訓練でアメリカに行くことも
高射特科は即動がある
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