目次
出典【陸上自衛隊施設学校】
この記事は4分で読めます。
職種紹介は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
施設科の役割
参考
野戦における施設科
平時における施設科
災害派遣
PKO活動
器材整備
野戦では主に戦闘職種が敵に攻撃するための道を切り開きます。
敵陣地までの経路上に障害物があれば除去し、地雷が埋まっていれば除去し、鉄条網が敷かれていれば除去し、川を渡れなければ橋を架け、橋がなければ橋を作る。まさに道を切り開く部隊です。
また陣地防御のために掩体と呼ばれる穴を掘り、障害物を構築し、燃料置き場などの重要防護施設を半地下(大きい穴を掘って隠す)で守る等、施設工事も担任します。
出典 【陸上自衛隊久居駐屯地】
平時においては駐屯地内の工事、積雪地であればグレーダーによる除雪。
演習場内の整地や樹木の伐採、施設の補修等を他職種と連携して実施します。
出典【陸上自衛隊】
災害派遣では重機力を活かし瓦礫、土砂等の除去、津波で橋がダメになっていれば代わりの橋を架け、ボートで人命救助を行い、人力で家財の撤去を行うなど、様々な分野で活躍する部隊です。
出典【陸上自衛隊南スーダン施設派遣隊】
PKOではカンボジア、東ティモール、ハイチ、南スーダンで主力部隊として道路を作ったり、様々な工事に携わってきました。
またPKOだけでなく、他国に施設科隊員が派遣され教育を行い、国連PKOにおいて工兵活動の基準となる「国連PKO工兵部隊マニュアル」の取りまとめも行っています。
施設器材の整備も自分達で担当します。
施設器材もかなり広範多岐に渡りますが、自衛隊は自己完結組織なので自分達で整備できることは実施するスタンスです。
実際に整備を担当する部隊は後方支援連隊等に配置される施設整備隊等が担任します。
施設整備隊に配属されると後方支援の任務となり、本来の施設科とは異なる業務内容となります。
施設科の良い所
ポイント
全ての職種で一番取れる免許の種類が多い
建築2級、小型船舶の免許も仕事で取れる
退職後の職域の幅が広がる
外でも建築関係なら即戦力になれる
爆発物を取り扱える
戦闘職種より女性自衛官が多い
施設科は大型、大特、牽引等の車両免許だけでなく、クレーン、玉掛け、建築、小型船舶も全て公費で取る事が出来ます。
陸自の職種の中では医官、薬剤師、看護師、パイロットに次ぐメリットです。
また自衛官の退官後の就職先としては、高給を望める建築系のオペレーターの仕事にも就きやすいメリットがあります。
爆発物に興味がある方にもおススメです。
女性自衛官も配属されておりそれぞれの分野で活躍しています。
施設科の辛い所
ポイント
体力がないときつい
職人気質が多い
職域が広いので覚える事が多い
河川での訓練
特に新隊員後期教育の幅が広いため、他職種よりも覚える事が多いです。
他職種でもそうですが、最初は怒られるのが仕事です。
職人気質の気難しい方も居ますが慣れるので我慢しましょう。
また河川での訓練もありほとんどの方が初体験なので最初は苦労するとの事でした。
現職に聞いてみた。施設科のメリットデメリット
メリット
メモ
作業が広範多岐に渡るため、自分流に作業を実施できる
退職後の幅が広がる
WAC(女性自衛官)が活躍できる環境
色んな免許を取れる
作業は大変だが1人で作業することはない
PKOに参加しやすい
災害派遣で感謝される
様々な公的免許を取れることが一番のメリットだそうです。
特に任期制隊員にとっては退職後に工事関係の就職の面で有利に。
PKOに優先して派遣されやすいため、海外で勤務してみたい隊員にも人気です。
海外の風土、文化に触れると共に、多額の手当が付きます南スーダンの場合日額16,000円。
加えて国連から手当が支給され、更に派遣期間に応じて国連休暇も付与されます。
近隣の国に公費で観光出来るという至れり尽くせりの状態。
更に食事、住居、医療費もタダで、おやつも支給されます。
半年で約300万プラス給与と賞与です。
勿論国外の駐屯地ということもあってストレスのはけ口が少ないため、人間関係には特に気を遣うというデメリットもあります。
次年度の税金が上がりますが、それらを差し引いても大きなメリットと言えます。
災害派遣では目に見える形で貢献出来るため、感謝されやすいというメリットがあります。
自分たちの努力が実を結び達成感と共に「ありがとう」と声をかけて頂き涙が止まらなかった、そんな声もありました。
デメリット
メモ
最初の後期教育が大変
作業終わらないと残業もある
河川での訓練がきつい
演習きつい
確かに免許を取れるが枠の関係で自費で取るケースもある
とにかく様々な事を学ぶため最初はついていくだけで精一杯、大変だったとの声も。
また免許を取るにしても枠がなくて入校出来ず、結局自費で取るケースもあるそうです。
その場合でもMOS(部内特技資格)の関係で、後日入校しないと器材操作が出来ないとの事でした。
施設科に入るには
参考
普通科ほど枠はない
それなりに人気がある
教育隊での成績と適性
女性隊員もいるが通信や需品の方が人気
普通科に比べると枠は少ないです。
免許を取りやすいということもあり、希望する方もそれなりにいます。
希望しても通らない事もあるので、教育隊での成績と適性が重要です。
女性隊員は通信や需品を選ぶ方が多いのですが、施設科の女性隊員は施設がおススメだと仰ってました。
まとめ
演習では道を切り開く者、平時は道を作る者
施設科は他職種より公的免許が公費で取りやすい
PKOにいきやすい
建築や土木作業に携わるので退職後に有利
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