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新隊員教育隊での出来事は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて一部脚色して書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
前回のお話はこちらから
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【前期の総決算】新隊員教育隊その15体力検定&学科試験その2
目次 【事前にやるべき】新隊員教育隊その3体力検定1回目【自己ベスト更新】体力検定2回目学科試験2回目【休み明けに?!】新隊員教育隊その9学科試験後期教育と配属部隊が決定 この記事は4分で読めます。 ...
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【出典】陸上自衛隊青野原駐屯地
【残り僅か】最後の大掃除
各種検定も終了し、長かった3ヵ月も残り2日となりました。
後期の異動先も確定したので個人の準備と共に営内や教場の清掃、武器、装具の整備を行いました。
靴墨で汚した床を激落ち君で磨き、ポリッシャーで丁寧に仕上げていきます。
自衛隊の大掃除
借りる前よりもキレイに
次の期生へ引き継ぎ
感謝の気持ち
居室の窓、床、ベッド、ロッカー、蛍光灯、カーテンレール、あらゆる箇所を清掃していきます。
自衛隊の躾けの中に、借りたものは以前の状態よりキレイにしてから返すという考えがあります。
洗面所のタイルも一枚一枚しっかりと汚れを落としました。
半長靴の靴墨が色んな所に残ってるので、併せて全部落としていきます。
着隊する前の営内、教場はピカピカでした。
勿論経年劣化による老朽化はあったけど、床、天井、壁等、目につく所はしっかりと磨かれてました。
「君たちの後輩になる次の期生達に気持ちよく使ってもらえるように、念入りに清掃してねー」
班長からの指導もありましたが、この頃になると自発的にキレイにする意識が高まってきたんだと思います。
お給料頂きながら勉強させて貰えたという感謝の気持ちを持って清掃を続けました。
【出典】陸上自衛隊青野原駐屯地
【ここまでやる⁉】自衛隊の清掃点検
ナビクマ達の受け持った区域の清掃も一段落し、班長による点検が始まりました。
週末清掃(土日の片方を使って掃除をする)でキレイにしていた事もあって、それ程時間もかからずに終わったと思っていたのですが。。。
「じゃあこれから点検するねー」
班長はポケットから白手袋を取り出すと、ニコっと笑顔で
「班長の白手に少しでもホコリや汚れが付いたらやり直しだからね」
いつになく厳しい点検が始まりました。。。
点検のポイント
点検は白手で
生活感を無くす
掃除は学ぶチャンス
白手でロッカーの上、冷蔵庫の取っ手、窓のサッシ、洗濯機の裏、居室の扉、階段のレール、コンセントの枠、掲示板のホコリ・・・etc
隅々までチェックされ、、、その都度やり直しの声が上がりました。
指摘された箇所のメモだけでも数十か所に上り、取締りと内務陸士も青ざめた様子。
「あー、あまり気にしないでね。普段はここまで細かく見てないからね」
苦笑しながら何故細部まで点検するのかを教えてくれました。
「君たちは間もなく卒業します。その後陸曹になったり幹部になる人もいると思う。陸教(陸曹教育隊)や幹候(幹部候補生学校)はもっと厳しいから、今のうちに僕たち陸曹がどんな視点で見てるのかを学んで欲しいんだ。班長からのプレゼントだと思って欲しい」
班長の言葉に重みを感じました。
朝からスタートしてお昼前に点検を受けたのですが、午後からやり直しの箇所を重点的に清掃する事に。
班長からのアドバイスとして、点検の際は生活感を無くすのが優先と教わりました。
特に生活隊舎は官品と私物が混同してるだけで、偉い人から見るとアウトと思われる事が多いとのこと。
「指摘されないコツはとにかく物を置かないことだよw何も無ければ指摘の仕様がないからね」
班長達も営内点検の時は私有車の中や実家等に私物を運んで、点検時は何もない状態を作るんだとか。
「あと掃除って面倒に思うよね。班長も陸士の頃は同じように面倒だなって思ってたよw」
「ナビクマ君は正直だねwでも掃除って見方を変えるとチャンスだからね。信頼構築やモノがどこにあるか、上司の意図や考え方がどうなのか、その辺を一気に学べる良い機会になるからね。面倒と思わずに視点を変えてみるといいよ」
自衛隊では掃除は一番下っ端がやる仕事です。
しっかり清掃出来ていれば褒められます。
また、掃除をしながら隊舎内の全体図を頭に入れたり、指摘ポイントを見直すことで、上司は普段どんな事を重要視してるのかがわかるようになるから、寧ろラッキーと思いながらやると良いと教えられました。
午後に再度点検を受けてOKを頂くと
「うん。完璧だね。これならどこ行っても大丈夫だよ。たまに班長以上に理不尽な事言う人いるけど、気にしないで流してねw」
班長からジュースを奢ってもらい大掃除が終わりました。
【返納の前に】銃手入れ
卒業前日。
今までお世話になった自分の銃をしっかりと整備。
丁寧に分解し、油を丹念に塗り込み結合しました。
動作確認も異状なし。
銃整備も最初は手間取ってたけど、この頃になると目隠ししてでもそれなりに出来る練度になりました。
調子乗って部品を落として腕立て伏せをする人もいましたが。。。
火器陸曹のチェックも一発で通り、後は卒業を迎えるだけになりました。