目次
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職種紹介は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
通信科の役割
参考
有線通信
無線電信
信務(暗号通信)
搬送
通信器材整備
その他
出典元【陸上自衛隊北部方面隊】
滑車に巻きつけられている黒い線が通信用の有線です。
有線通信はその名の通り有線通信網を構築します。
鉄線と銅線からなる有線をひたすら延ばし、時には車両で、車両が入れない地域は徒歩で有線を張り巡らせます。
有線と電話交換機をつなぎ連絡手段を確保することが任務です。
埋設作業写真
出典元【陸上自衛隊北部方面隊】
道路を横断する時は地面に埋設したり、アルマジロと呼ばれるゴムのプロテクターに埋め込んで防護したり、時には木の枝を利用して上空を通し車両の通行の妨げにならないようにします。
有線はそれなりに頑丈ですが車両に引っかかったり、カタピラ車で踏まれるとすぐに断線するのです。
また有線は秘匿する必要があるため藪や茂みに入り敵に見つからないように敷設します。
敵側からすれば有線を切るだけで連絡手段を1つ奪うことが出来るわけです。
荒天時の有線構築作業
出典元【陸上自衛隊北部方面隊】
他職種でも勿論ですが、自衛隊の行動は一部を除き(航空等)天候に左右されません。
雨、雪、雹、或いは台風下でも任務を遂行します。
当然きついです。しかし連絡手段が無ければ部隊は孤立します。
自分だけでなく仲間を助けるためにチームワークが要求される仕事です。
モールス信号による無線電信
出典元【陸上自衛隊北部方面隊】
無線電信はモールス信号と呼ばれる長音と単音の符号を組み合わせて相手にメッセージを伝えます。
無線電信だけでは敵に傍受されると通話が暴露するため、暗号化して送る必要があり、無線電信と暗号はセットで1つとなっています。
MOS(部内特技資格)は別なので、それぞれ教育を受ける必要有。
作戦行動中無線オペレーターは常に着信が無いか確認する必要があるため、集中力を必要とします。
実際に作業する隊員に聞いた所、演習後はしばらく全ての音がトンツー(モールス符号の長音と単音)に聞こえると仰ってました。
無線電信では他にも無線機を用いて連絡手段の確保を行います。
この無線電信については適性が無いと習得までに時間を要するため、事前に検査を行います。
前期教育中の適性検査で不適となった場合、通信科に配属されることはほぼありません。
出典元【陸上自衛隊北部方面隊】
通信器材も自分達で整備を担当します。
故障を未然に防ぐ予防整備、故障整備、定期交換部品の交換等、広範多岐に渡り実施します。
手に負えない場合は外注です。
他職種同様、器材整備部隊に配属されると通常の通信科の任務とは異なる業務を担当します。
主任務が整備になるので朝から晩まで器材の整備を実施し、演習も作戦状況下での故障整備等、立場に合わせた任務が付与されます。
その他
出典元【Foxtrot-Delta】
301映像写真中隊
撮影と編集を専門とする部隊もあります。
地上だけでなく空中での撮影もあり、写真や撮影が好きな方にはこんな道も。
現職に聞いてみた。通信科のメリットデメリット
メリット
メモ
通信科は女性自衛官が多い
パソコン得意、理系で工学得意、回路図面が読めると重宝される
写真班がある
基通(駐屯地の電話やシステム通信担当する部隊)は交代制で演習もなく楽
更に基通は駐屯地に必ずあるので全国異動も楽
女性自衛官が多いので部内恋愛もかなりあります。
女性は絶対数が少ないのでかなりモテます。
パソコン、工学、回路等に精通していると物凄く重宝されます。
他の業務が何も出来なくても全て補えるレベルでカバーしてくれるそうです。
写真班に興味がある、仕事にしたいなら通信一択。おススメです。
基通は枠があれば良いかもしれませんが、世間一般の自衛隊のお仕事ではなくなります。
デメリット
メモ
4月から12月まで演習が多い
演習が多いので代休がたまりやすい
事務室以外は恒常業務がない(器材整備部隊除く)
通信は大きな演習ほど必須なので必ずついていきます。
妻帯者は月の半分はいないと考えてほしいとの事です。
基本演習は参加が前提なので女性は子育ての面もあり、結婚を機に居辛くなる環境があるそうです。
通信科に向いてる人
参考
通信が好きな方
パソコン得意な方
回路図面を読める方
実力発揮の場を求める方
橋渡し役が好きな方
自分の趣味を活かしたい方
目標に対し素早く動ける方
まず通信というのはあって当たり前の存在です。
スマホが手元にないと不安になる人も居ると思いますが、同様で自衛隊でも通信手段がないとそれだけで士気が下がります。
通信科の隊員さんはあって当たり前というニーズを黙々と素早くこなし維持します。
なので演習でも状況開始から〇時間以内に通信網を概成するのが主任務となります。
それに加えて自分の強みを活かしたり、趣味を仕事にしたいと考えてる方にはとてもおススメの職種です。
通信科に入るには
参考
適性検査が重要
女性自衛官多い
枠はそれなりにある
通信科は特に適性が重要です。
前期教育中にある適性検査で通信科の適性が不適だと通りません。
適性検査は前もって対策が可能です。
教育隊での成績も含め事前に準備する必要があります。
また女性自衛官で通信を希望する方は多いです。
枠はそれなりにありますが、教育隊での上位成績を追求しましょう。
まとめ
通信科の仕事は早さと維持を求められる
写真等趣味を活かせる仕事もある
配属には適性が重要
女性自衛官が多い