目次
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職種紹介は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
会計科の役割
参考
隊員の給与及び賞与(ボーナス)に関する業務
各種手当に関する業務
旅費に関する業務
契約に関する業務
期間は短いが訓練は普通にある
生活する上で一番重要な給与に関する業務を取り扱います。
実際には会計隊の人員だけでは回らないことから、臨時勤務といって他職種から1年交代(駐屯地によって違います)の期間限定で給与に関する業務を支援して貰うことが多いです。
間違いがあってはいけない部署(勿論ミスはありますし間違っていた場合は次月回収or支給されます)なので、二重チェックは当たり前。
隊員の生活に支障をきたさないように、俸給日に確実に振り込まれるように業務をします。
賞与も同様で、各部隊から隊員の勤務評定(成績表)が送られてきます。
評定に基づきS~Fまでの段階に分かれ、乗算して賞与の額が決定します。
他にも扶養や地域手当等様々な要素が絡んできますので、こちらは別のページで紹介いたします。
【出典】陸上自衛隊
自衛隊には通常の俸給(基本給)の他に、追加でお金が支給される手当があります。
写真は駐屯地の警衛(警備勤務)です。
警衛に従事すると1日490円+3食+加給食(おやつ)が支給されます。
その他にも災害派遣手当、不発弾処理手当、落下傘作業手当等様々な特殊勤務で手当が支給されます。
会計隊では部隊の給与担当者から送られる各月毎の特殊勤務簿を元に手当を支給します。
自衛隊を含む国家公務員は赴任や出張に際し旅費が支給されます。
転属の赴任旅費だけでなく、昇任時の教育入校等、命令に基づく移動は旅費の対象となります。
会計隊では各部隊の旅費担当者から上がってくる書類を審査し、適正な旅費を支給します。
因みに営内者(駐屯地内に居住を命じられている方)は住所が所属する駐屯地のため、親、親戚等に不幸があった場合、駐屯地から実家等への帰省旅費も支給されます。
新隊員教育隊の時も支給されます。
旅費担当者が新任の場合見落とすケースもあるので貰えるものは貰いましょう。
【出典】航空自衛隊
写真は業者の入札の際の状況です。
会計隊では部隊にから要望された物品や工事の入札を行う他、契約を締結します。
各部隊の調達担当者(部隊に必要な物品を要求する方)は付与された予算の範囲内で物品を見積り、会計隊に上申することでお金が付いて物が届く仕組みになっています。
工事、給食、物品等あらゆる分野に関わります。
他職種より少ないですが、会計隊でも訓練は実施します。
体力検定、戦技(射撃、格闘など)、積雪地であればスキー等も。
ただし、日常的な業務があるため限られた時間の中で実施します。
繁忙期と訓練時期が重なる時はかなり忙しくなります。
会計隊の良い所
ポイント
退官後も役に立つスキル
体力的には楽
入隊時に税理士や簿記1級等を持っていると会計隊へ
緊張感をもって仕事ができる
パソコンスキルや会計知識、簿記、外の業者との契約など、自衛隊を辞めてからも活用できるスキルが手に入ります。
日々の業務が忙しく時間が限られているため、長期にわたる訓練等はありません。
しかしながら体力検定はしっかり受ける必要があるので、時間のない中での自己鍛錬が必須です。
衛生科のように入隊前に会計に関する資格を持っている場合はほぼ会計隊で決まります。
隊員の給与等、ミスが出来ない環境での仕事になります。
人は少ないですが緊張感の漂う職場です。
会計隊のデメリット
ポイント
時間がない
残業が普通にある
枠が少ないので希望しても通らないことも
デスクワークに向いてないと悲惨
とにかく業務が忙しいです。
更に訓練が入ると準備もあるので残業も増えます。
更に人員も少なく枠もないので希望しても通らないこともあります。
一番重要ですが、基本デスクワークです。
デスクワークが苦手だと悲惨です。
以前会計隊に他職種から臨時勤務できた隊員の中にパソコンダメ、書類作成ダメで精神的に病んでしまった方もいたそうです。
向き不向きがありますので、希望する前にデスクワーク専門でも問題ないか自分で決めてから希望してくださいね。
現職に聞いてみた。会計科のメリットデメリット
メリット
参考
時間の使い方が上手くなる
会計だけでなくビジネスのスキルも身につく
自衛隊を辞めた後でも就職先がすぐ見つかる
忙しいので、時計を見なくとも大体の時間間隔が身につくそうです。
午前中に〇〇の処理終わらせて、合間に銀行に行って、午後から演習の準備・・
といった業務計画が自然と最適化してくるといった声がありました。
外の業者と関わる機会が多いため、自衛隊のスキルだけでなく、ビジネスのスキルを業者を通じて学んだ。
外の業者の契約書や入札を担当できるため、ビジネスの仕組みを学ぶ機会が多いとのことでした。
その他、簿記やパソコンスキルがすぐ伸びる事から再就職もしやすいのがメリットのようです。
デメリット
参考
自衛官ぽくない
若干偏見もある
残業が多い時も
ストレスがたまりやすい
コミュニケーション能力が求められる
基本デスクワークがメインなので自衛官ぽくないイメージがあります。
その為、他の戦闘職種の方から会計隊は楽でいいよなーと偏見の目を向けてくる方もいるそうです。
実際は訓練しながら会計業務をこなし、他職種より残業が多いのですが、体力的に楽なイメージが先行しています。
また自衛官は給与に予め残業代が20時間程度織り込まれていますので、残業しても手当は付きません。
繁忙期は特にピリピリしており人員も少ないことからストレスをため込みやすいという声もありました。
業者との対応、部内との対応含めコミュニケーション能力が求められるそうです。
会計科になるには
参考
適性検査が重要
枠がそもそも少ない
入隊前に会計に関する資格があれば
あまり人気はない
会計業務では業務の正確さ、的確性、癒着や談合を予防する性格が重要になります。
その為他職種よりも適性検査の重要性が高いです。
適性検査については別のページで詳しく紹介します。
会計科の人員は少ないため枠は少ないです。
その為適性があっても希望が通らないこともあります。
会計科に向いている人
ポイント
デスクワークが苦にならない方
時間を効率的に使える方
縁の下の力持ちのポジションを好む方
ストレス発散がしっかり出来る方
コミュニケーションが得意な方
会計に関する知識やパソコンスキルはやっていれば自然に伸びます。
しかしデスクワークがそもそも苦手だときつい職種です。
また会計科は戦闘職種のように前線に立つことはなく、災害派遣にもほぼ参加しません。
縁の下の力持ちとして他の隊員をサポートしたいと思える方は向いています。
まとめ
会計科はデスクワークが基本
お金に関する業務をするのでストレスがたまりやすい
人の前に出るのではなく、他人をサポートする役目
同じ支援職種の紹介です。
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