目次
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職種紹介は陸自ナビクマの勤務経験に基づき、これから自衛官を目指す人に向けて書いています。
少々偏見も混ざっていますがご了承ください。
航空科の役割
参考
多目的ヘリ
攻撃ヘリ
オスプレイ
パイロット
航空管制官
航空機整備
誘導任務
出典【陸上自衛隊】
自衛隊の主任務は防衛です。
ヘリによる担う領域は幅広く人員輸送から物資輸送、空中投下、大型のヘリを用いて車両の輸送任務等、様々な分野で活躍します。
また機動力を活かし偵察も実施し、災害派遣においては被害状況の確認や人命救助も行います。
出典【陸上自衛隊】
攻撃ヘリは対地攻撃を専門としています。
対戦車ミサイル、機関砲、ロケット弾等、用途に応じて使い分けます。
陸自の航空科においても配備され、低空の守り人として活躍しています。
出典【Yahoo!Japan】
オスプレイは簡略化して説明すると飛行機とヘリの良いとこどりをした機体です。
輸送機でありながら従来のヘリよりも早く長く飛ぶことが出来ます。
国内でも2020年7月から木更津駐屯地に配備されました。
現在操縦訓練は米国で実施されており、オスプレイの整備教育も米国で受ける事になります。
部内でも希望すればオスプレイパイロット、機体整備への道が開かれています。
パイロットへの道
陸上自衛隊のヘリパイロットになる道は3つのみとなっており難関です。
細部は部隊の人事陸曹が資料を保管しています。
興味がある、受験したい方は人事陸曹にお問い合わせください。
航空科だけでなく全ての職種にチャンスがあります。
1つ目は、自衛官候補生又は一般曹候補生で入隊し、3等陸曹昇任後1年経過した後に26歳未満(大卒は30歳未満)であれば選抜試験を受験することができます。
試験合格後に陸曹航空操縦課程に入校し幹部昇任後ウイングマークを付ける事になります。
自衛官候補生から3等陸曹になるには最短でも約3年8ヵ月、一般曹候補生の場合は最短で約2年8ヵ月かかります。
最短で3等陸曹になるには相当な努力が必要です。
一般曹候補生の場合平均6~7年、遅い人では10年かかるケースもあります。
パイロット選抜試験は年齢制限があるため、試験を受けるだけでかなり大変です。
2つ目は高等工科学校(自衛隊生徒)を卒業し、3等陸曹昇任後1年経過した後に選抜試験を受験することが出来ます。
3等陸曹昇任が早いため、年齢的には余裕をもって選抜試験を受験することが可能になります。
自衛官候補生、一般曹候補生、自衛隊生徒からパイロットになるコースは操縦士として歩んでいきます。
3つ目は防大卒又は一般幹部候補生として入隊し、幹部航空操縦課程に進むケースがあります。
こちらのコースは航空部隊の指揮官として飛行も出来る幹部を目指すことになります。
どのコースにも言える事ですが、航空身体検査にパスする必要があります。
脳波、目、鼻、歯、特に目と歯は念入りに調べられます。
目は勿論ですが、パイロットは搭乗中Gを受けることから歯を食いしばる事が多々あり、虫歯等があると飛行中に嚙み砕いてしまう事ケースも。
大きなトラブルの原因と成りかねません。
疾患がある場合は治療してから受ける必要があります。
いくら成績が良くても体に不具合があれば落とされます。
また新隊員教育隊では一番下の隊員を基準として、全体の底上げを行い質の向上に努めていますが、陸曹教育隊やレンジャー等の上級課程は違います。
不適格者は排除せよ、の方針で選抜試験に合格しても、課程の基準に到達出来ない学生は途中で原隊復帰を命ぜられます。
陸自の場合、パイロット課程は約20%の学生が原隊復帰となっています。
パイロットの手当
陸自の場合、パイロットには給与の他に特別手当が加算されます。
手当は階級の初号俸の60%です。現号俸ではありません。
陸曹操縦課程からパイロットになった場合は、3等陸尉の初号俸が手当として加算約149,000円。
退官近い3佐の場合で192,000円が手当として給与の他に加算されます。
まとめると3尉であれば約180万が手当として加算。
3佐の場合は約230万が俸給の他に加算されます。
身体的な理由などによりパイロットを継続出来なくなった場合は、次年度より手当は消滅します。
またパイロットは何かあった時のために交代制で即動待機任務があります。
メリット、デメリットをよく考えて受験してくださいね。
航空管制官は航空機の司令塔であり、安全に離発着できるように指示を行います。
飛行場において航空管制官は必要不可欠であり、例えば天候不順により滑走路が目視できない状況でも管制官はパイロットに進入路、角度、機体の状況等を的確に伝達し安全に離着陸させます。
航空管制官も部内選抜試験を受験し、合格することで道が開かれます。
職種に関係なく受験する事ができます。こちらも細部は部隊の人事陸曹に確認してくださいね。
パイロットとは違い、1等陸士から3等陸曹までの間に受験することが可能です。
パイロット同様、航空身体検査にパスする必要があります。
航空管制は非常事態を除き英語で実施されます。管制官、パイロット共に英語力が求められます。
出典【陸自調査団】
航空機整備は安全な空の運航には欠かせない業務です。
写真のように建物の中で実施する場合もありますが、陸上自衛隊はその特質上、野外においても整備を実施することがあります。
出典【陸上自衛隊】
陸自ヘリは任務上飛行場やヘリポートだけでなく、あらゆる場所で離着陸する必要があります。
誘導はヘリが安全に離着陸出来るように周囲の安全の確保を、パイロットと連携し実施します。
通常航空科の隊員が実施しますが絶対数が少ないため、他職種の隊員も所定の訓練を受けた後に航空誘導員として誘導任務に就くこともあります。
航空科に向いている人
参考
航空機が好きな方
パイロットに興味がある方
航空機の整備に興味がある方
航空管制官に興味がある方
多人数より少人数のコミュニティを好む方
航空機好きは勿論ですが、パイロットや管制官に興味がある、なりたいと考えている方は航空科一択です。
他職種からも希望すれば選抜試験を受けることは出来ますが、現場で勤務されているパイロットや管制官の仕事を直接見たり、話を聞けるのはとても大きなメリットです。
良かったこと、辛いと思う事などをしっかり自分で確認し、希望すれば合否に関わらず悔いは残らないはずです。
航空科の部隊である〇〇飛行隊は規模が小さく、管制気象隊は更に少数メンバーで構成されています。
しかしながら人が少ない=人間関係が濃くなる傾向もありますのでご注意ください。
航空科に入るには
ポイント
人員が少なく狭き門
適性と成績必須
枠が無ければそもそも入れない
戦闘職種と比べると枠がとても少ないです。
適性があり、成績が良くても枠がないので入れないこともあります。
パイロットに強い関心があるのであれば、部隊航空機誘導員訓練等に参加するとブリーフィングで話をする機会があります。
その後も横のつながりが出来るので積極的に希望しては如何でしょうか。
現職に聞いてみた。航空科のメリットデメリット
メリット
メモ
パイロットなりたいなら絶対入るべき
駐屯地と離れているので楽(飛行場勤務の場合)
現場の先輩の声を聞かずにパイロット希望は止めた方が良いとのことでした。
駐屯地と飛行場が分かれているケースもあり、その場合は飛行隊のみ独立しているため面倒な事が少ないそうです。
デメリット
メモ
代休取りにくい
残業ある時も
人員が少ないので代休を消化しにくいという面もあるそうです。
整備の都合上、終わらなければ残業を余儀なくなれることも。
まとめ
パイロットは狭き門
航空管制官も難しい
2つに興味があるなら航空科に入るべき
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